東京大学/2016年/第1問

Last-modified: Fri, 20 Jan 2017 23:44:45 JST (2664d)
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 アメリカ合衆国とヨーロッパ諸国に関する以下の設問A~Cに答えなさい。解答は,解答用紙の(イ)欄を用い,設問・小問ごとに改行し,設問記号・小間番号をつけて記入しなさい。

設問A
 図1-1は,2000年におけるアメリカ合衆国本土(アメリカ合衆国のうちアラスカ州とハワイ州を除く範囲)の人口分布を示した地図である。同国の国勢調査 で使用されている集計単位ごとに,人口密度が高いほど色が濃くなっている。地図には人口密度の情報のみが示されており,海岸線,湖岸線,国境線,道路などの他の情報は示されていない。

(1) 図1-1によるとアメリカ合衆国本土では東半分(北東部,中西部,南部)と 太平洋岸で人口が相対的に多く,西半分では,太平洋岸を除き人口が相対的に少ない。このような大局的な差をもたらした自然的要因について,1行で述べなさい。

(2) 上記のように,アメリカ合衆国本土の太平洋岸を除く西半分では,人口が全体として少ないが,図1-1によると,A,Bのように人口密度が高い地域も部分的に認められる。このような地域の発生に寄与した社会的・自然的要因を1つずつ挙げ,あわせて2行以内で述べなさい。

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(3) 図1-1から読み取れるアメリカ合衆国中西部における人口分布の空間的パターンの特徴と,その特徴が生み出された背景について,下記の語句をすべて用いて3行以内で述べなさい。語句は繰り返し用いてもよいが,使用した箇所には下線を引くこと。

交通  集落  農業

設問B
 次の文と表1-1は,アメリカ合衆国の北東部の都市群に関するものである。

 アメリカ合衆国の北東部には,北東から南西方向に,ボストン,ニューヨーク,フィラデルフィア,ボルティモア,ワシントンヘと,多くの都市が連なっている。この地域の星雲状の都市の連なりをフランスの地理学者ゴットマンは,メガロポリスと呼んだ。
 表1-1は,メガロポ'ノスに該当する統計区域を取り上げ,1950年から半世紀にわたる人口の変化を示したものである。この表からは,(a)全米におけるメガロポリスの地位の低下とともに,(b)メガロポリス内部での人口分布の変化を読み取ることができる。

(1)下線部(a)について,こうした変化が起きた理由について,2行以内で述べなさい。

(2)下線部(b)について,どのような変化が生じてきたか,この表から読み取れることを,1行で述べなさい。

(3)1980年代後半以降になると,ニューヨークやボストンなどの都心部では, ジェントリフィケーションと呼ばれる新たな変化が生じてきている。具体的に,どのような変化が生じてきているか,3行以内で述べなさい。

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設問C
図1-2(a)~(f)は,2010年(ただし,国により多少の時期のばらつきがある)における以下の数値のいずれかをそれぞれ表したものである。ぬり分けの色が濃 いほど値が大きいことを表し,各色に該当する国の数がそれぞれ等しくなるよう に区分している。

(ア)移民率
(イ)国民一人当たりGDP
(ウ)失業率
(エ)全人口のうち,正教徒の割合
(オ)全人口のうち,イスラム教徒の割合
(力)全人口のうち,スラブ語派言語を母語とする者の割合

(1) 図1-2(a)~(f)は,前ページの(ア)〜(カ)のいずれかである。(a)~(f)に該当するものを,(a)一○のように答えなさい。

(2)図1-2(f)において,×を付した国群では他国とは異なる要因から値が相対的に高くなっている。その理由を1行で述べなさい。

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